交通安全を基調として自治会等が掲出する屋外掲示物に関する問題点

夢企画  2023/4/19

 ◎公開に至った切っ掛け
 主に「交通安全」をテーマにして自治会が設置する看板がある事をご存じの方も多いと思う。
 また交通安全週間等では、歩道柵に旗が設置されたりしている状況を目にする事もあると思う。
 このページではこれらの広告物に関する不具合を通して見た、自治体・自治会・警察関連事業に関する問題の一端について、事例と共に私的意見を記す。
 問題の改善についてはほぼ期待出来ないので、地域社会に関心があり改善意欲のある方たちに何かの参考にしていただければと思い、とりあえずWEBページとして公開することにした。
 単にこれらの掲示物に関する内容だけではなく、自治体の役目と自治体(役所)に次いで地域の細かな内容を把握し公益のための事業を補完するべき自治会という団体の在り方についての意見も含んでいる。
 ただしここでの自治会とは、自治協議会や町内会を指している。

※自治会に関する問題点は殆どの自治会にも当てはまるものと思われるが、中にはまともな運営を行っている自治会もあるかも知れないので、関心のある方は個々に確認していただきたい。

 交通安全系広告物の問題に関しては2020年1月に福岡市都市景観室をはじめ、関係のありそうな団体や部署に対して「交通安全関連看板等の掲出物について」と題した改善依頼の文書(PDFデータ含)を配布していた。

 ◎主に関係する団体・部署
・福岡市役所 都市景観室/交通安全推進協議会
・福岡市各区役所 維持管理課/地域支援課
・各校区 自治協議会/町内会/公民館
・福岡県警察と交通安全協会

 ◎基本情報
・自治体とは管轄する地域の公共の福祉の実現に向けて働く公の組織(団体)である
・自治会とは地域住民の公益の為に、より細かな状況把握等を行い自治体と連携してその実現にあたるべき民間の団体である
・自治会は町会費の徴収に加えて自治体より助成金を得て活動している。

屋外広告物に関する法律があり、福岡市でも条例として定めている。



2023/4/19
 本ページを公開し以下の部署へ通知
  ・福岡市広聴課 ・福岡市都市景観室
  ・福岡市交通安全推進協議会(福岡市市民局生活安全部防犯・交通安全課)
  ・福岡県警察

 同日、事例6に関して事業主体の確認と屋外掲示物の管理について県交通安全協会に尋ねてみたが・・・
 問題視するなり直ぐに博多交通安全協会(博多警察署)に連絡を入れてくれた。
 しかしながら結局管理についての取り決めの様なものはないそうで、市役所の担当課等と話してみる事も勧めてみたが、孤独に我が道を行くのが警察の信条らしい。

2023/4/26
 事例6の、写真よりも朽ち果てた場所の分は撤去されていたが、写真の分はそのままだった。
 どの団体が処理したのか不明だが、いい加減さ杜撰さは天下一品の様だ。
 あるいは、この分はまだ使えると判断したのだろうか? 理解出来ん。

2023/9/1
 事例6の掲出物について、更に何度か県警に行ったときに未改善を報告し最終的な管理責任についても訊ねているが改善も明確な回答も無い状態が続いていた。
 たまたま北九州市の交番で、この様な掲出物はどこの部署が設置しているのかを軽く尋ねてみると「相談」扱いにされて色々と聞かれる破目になったのだが・・・その事で博多署にも連絡等が行ったのだろう。
 丁度7日前に一度博多署から確認の連絡があり、「既に処理済みの報告になっているが・・・」との言葉もあったが、実態は違うので「管理責任者」を知りたいと念を押しておいた。
 そしてこの日博多署から連絡があり、この場の状況確認と広告幕撤去完了との報告だった。
 そして管理責任は「交通安全協会」とのこと・・・つまりこの場の最終的な管理責任は「博多交通安全協会」ということなのだろう。
 他の自治体の警察署等から報告が来ると対処のレベルが変わるのだろうか?
 不思議だ。。。


吉塚校区
事例1 立て看板 歩道柵へ取り付け
吉塚校区 交通安全推進委員会


 看板自体は2012年以前からあった様だが、朽ちて破損しているのを発見し、しばらく様子を見ていたが全く撤去もされないので2018年に「危険な広告物」として都市景観室に通報。
 通報内容にも自治会活動の在り方や責任者・連絡先明記の意見を添えている。
 看板の仕様として足の長さが30cm以内という規制もある様だが、どう見ても超えている様に思える。
 この場所の近くには小学校もあるし公民館もある。人通りも多いし自治会関係者の誰かは毎日必ず複数人が通っているはずである。
※一般的にこの様な設置は違反広告物となっている

馬出校区
事例2 立て看板 電柱へ取り付け
馬出校区 交通安全推進協議会


 看板の破損を発見したのでしばらく様子を見ていたが、全く処理されず2019年に都市景観室と東区維持管理課へ自治会の在り方についての意見も添えて通報。
 その後太い針金を使用して同じ場所に再度設置されている。

 この場所の目と鼻の先には自治会関係者の家もあったと記憶している。
※一般的にこの様な設置は違反広告物となっている

西鉄バス吉塚営業所前
事例3 立て看板 街路灯へ取り付け
西鉄バス 吉塚営業所前


 少々破損している看板が取り付けられていた。
 校区自治会の名称らしき部分が隠されている様で、大きな看板の中央部分のみが細い針金で街路灯に結わい付けられており、更に針金の末端の処理もせずに歩道側に伸ばしたままで危険。
 西鉄が取り付けたのか、この地の自治会が取り付けたのか不明だが・・・
 県の交通安全協会・・・?だったかに連絡したか文書を送ったか記憶が定かではないが、何がしかの処理後に撤去されている。

※一般的にこの様な設置は違反広告物となっている

馬出 東署
事例4 旗 歩道柵に取り付け
東警察署・東福岡交通安全協会


 最近は太い棒を使っている様だが、折れた状態や差し込みの筒から外れた状態でいつまでも放置されている状況を何度も確認している。
 この直ぐ近くには小学校も公民館もあり、自治会関係者は毎日通っているはず・・・にも関わらず、この状態が何日も続く。
 見かねて何度か公民館に直接持ち込んだり、破損している状況を伝えて担当者に連絡する事を促したり・・・ある時は、福岡県警東署(東福岡交通安全協会)の名が表示されていたので直接協会に電話して処理について尋ねてみたが・・・「貴方が処理してもらって構いませんよ」の様な極めて無責任な回答。 なめとんかこいつ・・・責任感の欠片も無く、お話しにならない。みてくれだけの交通安全活動を掲げてまで何らかの事故に繋がりかねない、あるいは街の美観を損なう様な状況を作る事業はやめろ・・・というお話である。
※一般的にこの様な歩道柵への設置は違反広告物となっている

馬出交通安全

針金先端未処理で危険
事例5 立て看板 電柱へ取り付け
馬出校区 交通安全推進協議会


 一見何の問題も無い看板の様に見えるが、その取り付け方法が問題で、針金の末端処理を行っておらず歩道側に向けて10cmを超えるくらいの長さで伸びていた。
 ここだけでは無く同じ道沿いに設置された他の看板も同じ様な処理だった。
 「10cmくらいでは怪我などする者はいない」と思う人もいるだろう。また「これまで問題は起きていない」等と考える人もいるだろうが、この様に「当たったり触れたりすれば危険」である状態を作り放置することは犯罪と同じで、しかも設置者は公益に資するべき自治会であり、その活動を助成しているのは自治体である。
 急な体調の変化で電柱に寄りかかったり手をついたりする事もあり得る。
 もし顔や目鼻に当たったらどうなるだろうか。
 低い位置では子ども達や小動物にとっても危険である事は容易に想像できるはずなのだが、この様な設置方法がこれまでずっとまかり通って来ている実態がある。

2023年2月に東区維持管理課に通報後改善されているが、何処が処理したのかは不明。
※一般的にこの様な設置は違反広告物となっているし、もし法令に従って市の登録業者が設置を行ったのであれば、この業者には何がしかの罰則を適用するべきだろう。

区役所・警察・交通安全協議会

警察・区役所ラベル
事例6 広告幕 信号機の支柱に取り付け
千代校区? 警察署? 区役所? 交通安全協会?


 どこの誰が設置したのか分からない程に朽ちたまま放置されている状態の物が狭い範囲に複数個所。
 2023年2月に、無管理の違反広告物として都市景観室に通報しているが、約2ヵ月を過ぎても何ら改善されず相変わらずの放置状態。

 ふっけい君のキャラクターが描かれ「警察署」「区役所」「交通安全協会」の文字も記されてれているので、明らかに警察関連の事業に関した設置だと思われるが・・・設置だけしてあとは無管理且つ責任放棄を決め込んでいる。
 直ぐ近くには千代交番があり、その交番の道向かいの信号機の支柱には更に朽ち果てた残骸状態の物が残っている。 設置作業に関しては警察から自治会への依頼だったのだろうか? 撤去の要請は110番でいいのだろうか?

福岡市屋外広告の手引きには「禁止広告物」として・・・
 ・著しく汚染し、退色し、または塗料等の剥離したもの
 ・著しく破損し、または老朽化したもの
・・・との文言がある。 「屋外広告物に関わる者の責務」という項もある。はたして何処が責務を果たすのか、参考の為にこの様な状態になるまでの過程を公表していただきたいとも思う。
 自治体や警察が法令を軽視し自ら街の美観を損ね管理も放棄するなど、民間の広告物への規制に対する示しがつくんだろうか? 何か勘違いしていないだろうか?



 ここで事例として挙げている分は極めて狭い範囲での内容ではあるものの、恐らくどこでも同じ様な事が起こっているのではないかと思う。
 自治会が設置する屋外広告物は基本的に違反広告物に該当すると個人的には判断しているが、実質自治体主導の事業であるために公共団体の出す広告物として規制対象からは除外されているのであろう。
 単に設置可否の規制から除外されているだけならまだしも、設置方法や管理責任についてまで除外されてはならない話しで、実際に危険な設置や杜撰な管理が常態化している実態からしても、自治会や警察関連団体等に対する基本的な注意喚起や指導が適切に成されているのかも疑わしい。
 例え法的規制からは除外されていようとも責任の所在や管理に関する連絡先は明確にしておかなければならないのは法以前の問題。
 民間事業者の広告が規制を受けて、体裁だけでも公益活動を装っている団体の広告物がこんな有様では示しがつかず、不当な特権を社会に示しているだけでしかない。

 また自治会として設置しているにも関わらず、担当でなければ自分は関係ないという考えが根底にある者が集まった組織にまともな活動は望めない。これは自治体職員も同じ
 そしてこれらの様な不具合が放置されていても現場付近の一般住民からも自治会に対して通報等が無いという事は、いかに自治会と地域住民との結びつきが無いかを如実に物語っている。

 広告主となる、自治会や警察関連団体の事業による看板等はそもそも「屋外広告物」とみなしていないという思いあがった考えがある様に思う。
 自治体は、自治会はもとより警察や関連団体に対しても、最低限「屋外広告物の手引き」等を参照する様に申し入れするべきではないだろうか。また法の適用除外があるとしても「良い街づくりのために最低限の事はしましょうね・・・」と掲出仕様等のすり合わせの努力をするべきではないかとも思う。

よって、とりあえず・・・
 自治会や警察関連団体の出す看板や旗等の屋外広告物についても、緊急性のある物を除き基本的には通常の掲出手続きを経ることとし、特例として一部の手続きの簡素化を図る。もちろん許可証票の貼付も義務付け。
 自治会や警察関連団体側も「好きでやってるんじゃない」とか「面倒だから実施しない」などということになれば、お互いに惰性的事業の終了や経費削減に繋がって良い事だと思う。

 因みに、「交通安全推進xxx」の様な名称を使った看板が多いので、警察との関係について県警に尋ねると、殆どは警察関連の団体とは関係無いとのことで・・・たまに警察へも苦情や問合せがあるとの事だった。真偽は不明だが言葉をそのまま受け取れば、紛らわしい名称・事業の意義・掲出状態等を問題視している人は他にもいるということだろう。
 市の「交通安全推進協議会」主導で(?)校区自治会が趣旨に沿った活動をすれば助成金が出る、あるいは交通安全週間に警察各署に協力すると何かの特典(?)があるとか・・・そういう構図なのだろうが、お互いに見せかけだけの活動を補完し合っているだけの結びつきでしかない様に思う。
 任せっきりとやりっぱなしの融合で、納まりが良いのかも知れない。
 そこへ自治体という霧のお陰で、みんなぼんやり無責任がまかり通っている・・・いろんな事業でも同様に。

余談:
 自治会の事業への助成という点では、こういう状況もある・・・
 現在でもあると思うが、「公園愛護会」という制度があり、、その名の通り公園を愛して掃除とか手入れとかを行って下さいな・・・協力していただけたら助成金出しますよ・・・という制度で、活動者の募集もされていた様に記憶している。
 それだけ聞くと公園の好きな人にとっては何か活動してみようかなという気になるかも知れないし、会としてあるのなら参加してみようかなとか有志を募って会として活動してみようかと思う人もいるかもしれない。
 しかしこの制度・・・というか役所が絡む殆どの制度は自治会に所属している団体や部署であることが条件となっている。
 なんじゃそれ? 一般市民の関心は一機に消え失せるかもしれない。
 一方で本当に公園好きの人が清掃や手入れなどを個人で行っていて、更にそういう人たちの繋がりもある。
 もちろんどこからの支援も無く、費用が発生すれば全て自腹。
 趣味や健康のためと言ってしまえばそうかも知れないが、愛護会として適当に活動している人達と比べれば何がしかの支援や労いがあっても良いと思うし、そういう人達の存在や活動状況の把握を行った上で自治体として協力出来そうな内容があれば検討する・・・そんな、人を活かしていく事で社会を豊かにする様な考えが自治体には必要ではないかと思うし、本来なら自治会がそういった状況を把握し公益のための支援策を自ら設けるなり自治体に提言するなりの役目を担うべきであると思う。
 (※公園愛護会でもちゃんと活動している人もいると思います)
 因みに、あるところでは公園愛護会と博多区維持管理課の名で公園への自転車乗り入れを禁止する内容を掲示していたりもする。
 条件などの記載も無かったので、子どもの練習や親が付いていても禁止ということなのだろう。
 あまり守られてもいない様だが、地域住民の方はそれで良しとしているのだろうか?
 また禁止の判断にどれだけの人の意見が入っているんだろうか?
 禁止の経緯について公民館の職員さんに尋ねてみたが、分からないとのこと・・・
 いろんな権限が公園愛護会や自治会にはあるらしい。
 楽の出来る排除は得意だが人や地域を育てる事には無関心
 色々と改善されるべき事が多すぎる。